< 前ページ 2010年6月上旬 2010年5月下旬 2010年5月上旬 2010年4月下旬 2010年4月上旬 2010年3月下旬 2010年3月上旬 2010年2月下旬 2010年2月上旬 2010年1月下旬 2010年1月上旬 2009年12月下旬 2009年12月上旬 2009年11月下旬 2009年11月上旬 2009年10月下旬 2009年10月上旬 2009年9月下旬 2009年9月上旬 2009年8月下旬 2009年8月上旬 2009年7月下旬 2009年7月上旬 2009年6月下旬 2009年6月上旬 2009年5月下旬 2009年5月上旬 2009年4月下旬 2009年4月上旬 2009年3月下旬 2009年3月上旬 2009年2月下旬 2009年2月上旬 2009年1月下旬 2009年1月上旬 2008年12月下旬 2008年12月上旬 2008年11月下旬 2008年11月上旬 2008年10月下旬 2008年10月上旬 2008年9月下旬 2008年9月上旬 2008年8月下旬 2008年8月上旬 2008年7月下旬 2008年7月上旬 2008年6月下旬 2008年6月上旬 2008年5月下旬 2008年5月上旬 2008年4月下旬 2008年4月上旬 2008年3月下旬 2008年3月上旬 2008年2月下旬 2008年2月上旬 2008年1月下旬 2008年1月上旬 次ページ >
V.A. / CHILL-OUT MELLOW BEATS 〜 HARMONIE DU SOIR
橋本徹 (SUBURBIA/アプレミディ) 推薦
夕闇と共に一瞬だけ訪れる刹那の奇跡。そんな瞬間の永遠の美しさを音楽に託したコンピレイション。その発想のきっかけを話すと長くなるが、まずは昨年7/29に僕が書いた[staff blog]を読み返していただけたら嬉しい。
「メロウ・ビーツ」という言葉が他のヒット・コンピの影響か、何となく哀愁R&B寄りに解釈されているように思えて気がかりだった僕が、そのイメージを理想的に修正できたのでは、とその内容に100%満足したのが、日本人アーティストによるスペシャル企画盤『MELLOW BEATS, FRIENDS & LOVERS』だったが、それからこの春の『美しき音楽のある風景〜素晴らしきメランコリーのアルゼンチン〜』へと連なる音の桃源郷、感性と知性が織りなす夢のような世界への旅のひとつの終着点が、このCDと言えるかもしれない。僕は今、1年ぶりに夏の夜に「宇宙へのフロンティア」を観ながら、その映像にこのサウンドを合わせてみたい、という欲望に駆られた。同時に、今年も昨夏8/23のようなパーティーが開かれればいい、と心から思う(Nujabesの追悼イヴェントは8/14に代官山・UNITで行われるので、多くのオーディエンスに集まってほしいが)。
オープニングに置いたのは、ピアノとギターのテキサスのデュオ、バルモレイの“SAN SOLOMON”。遠い記憶がよみがえる、子供の頃の夏休みを思い出す。僕はこの曲について、「Nujabesなら“AFTER HANABI”、Uyama Hirotoなら“ONE DREAM”という感じの叙情美あふれる世界が広がる」と2009年11月下旬のこのページに記している。
2曲目には当初メンタル・レメディーの11年前の曲“JUST LET GO”を考えていたが、ジョー・クラウゼルから「いつかメンタル・レメディー名義のアンソロジーを作りたいから、今時点でのCD化は勘弁してほしい」という旨の連絡があり、代わりにイバダン初期のリメイク・シリーズの金字塔、テン・シティー“ALL LOVED OUT”の絶品ピアノ・ダブのライセンスが下りた。気が遠くなるような美しいピアノ、そして素晴らしいべースとパーカッション。生命の宿る音楽。
去年7インチ・シングルで発表されたバヤラ・シティズンズ名義の“GODDESS OF A NEW DAWN”は、『音楽のある風景〜冬から春へ』の幕開きを飾ったメンタル・レメディー“THE SUN・THE MOON・OUR SOULS”の兄弟のような曲。サウダージでメロウ、そしてスピリチュアルな高揚感にあふれる。
12インチのハウス・ミックスにカップリングされたジョー・クラウゼル作品が僕は大好きなのだが、ジェフテ・ギオム(5年前には一緒にDJする機会もあって楽しかった)の“THE PRAYER”はその極めつけ。リヴァーブの効いたアコースティック・ギターと自然音のエフェクトに、心の奥深くまで響いてくる歌声。やがて魂を震わせるビートが加わると、歓声が湧きフロアは大きくロックされる。昨夏8/23のパーティーでは1曲目にかけたが、全くその通りの光景が海と夕陽をバックに眼前に広がった。
このように『MELLOW BEATS, FRIENDS & LOVERS』でchari chariやKuniyuki Takahashiが果たしてくれたような役割をジョー・クラウゼルのリミックス・ワークが担っているのだが、彼の“MOTHER NATURE”からイタリアのガール・ウィズ・ザ・ガン“FIX THE STARS”への流れでは、宇宙を通じてカルロス・アギーレとも交信しているような穏やかな心象風景が映し出される。ミナス・サウンドをも思わせる風がゆらぎ光がゆらめくような自然のささやき、流れ星が行き交う銀河に身を委ねるような甘美な浮遊感。そこには不思議なノスタルジーと親密さが漂う。
メランコリックなエレクトロニカの宝庫として知られるドイツの優良レーベル、カラオケ・カルクからの2曲は、『MELLOW BEATS, FRIENDS & LOVERS』で言えばrei harakamiやTakagi Masakatsu(まさにこのレーベルから“Gelnia”を収録したのだった)、あるいはAkira Kosemuraのようなチルアウトな存在感を期待してエントリーした。パスカル・シェファーの“DRRRUNK”は実際、何度となくsoraの“revans”と並べて選曲したことがある、涼しげで心地よい珠玉のトラック。波の音に始まるメルツの“THE RIVER”は、夏の日のかけがえのない風景に思いを馳せてしまう、「usen for Cafe Apres-midi」のヘヴィー・ローテイション曲だ。
初めて「素晴らしきメランコリーの世界」という言葉を耳にしたとき、真っ先に思い浮かべたのが忘れられないスウェーデンのリカード・イェーヴェリング“SUN VALLEY”は、夕暮れどきに聴いていて本当に涙がこみ上げたことがある。ゆっくりと沈みゆく夕陽をコマ落としでとらえた映像のサウンドトラック、いや夕焼けそのもののような名曲。
一方で、美しい月夜のテーマ・ソングという趣のファラオ・サンダース“MOON CHILD”は、FJDからジャケット・デザインのラフ案が届いたとき、どうしても収録にこだわろうと誓い、最初はライセンス料を200ユーロと言われたところを、粘り強くタイムレス・レーベルと交渉してもらった。たおやかで慈愛に満ちた歌声とサックス、いつまでも揺れていたいベース・ライン、そしてピアノの音色が宝石のような光を放っている。今ふとヴェルレーヌの詩にドビュッシーが曲をつけた“月の光/Clair du lune”を思い出した。今度はそんな副題でコンピレイションを作るのもいいかもしれない。来年の七夕のために、『星空で拾った音楽』というタイトルは、すでに用意しているのだけど。
夕映えの切なくも清々しい印象をそのまま音にしたようなカンデイアス(アグスティン・ペレイラ・ルセーナとギジェルモ・レウテル)の“MANAGUA”をループしたファンキー・DLの“ONLY THE INITIALS... CM”(この曲を収めたアルバムのカヴァーにはNujabesが描いた絵が使われている)以降の4曲は、僕にとって最上級のサンプリング・ミュージックを並べた。あのハードフロアの変名ダダムンフリークノイズファンクの“I LOST MY SUITCASE IN SAN MARINO”は、精緻なビート・プログラミングに“WE'VE ONLY JUST BEGUN”の旋律とヴァイブの残像が絶妙。ニュージーランドのジュリアン・ダイン“FALLIN' DOWN”はDJ Mitsu the Beatsが温かみに満ちたリミックスを施し、宵闇に瞬く星やネオン・サインのように郷愁をかきたてる。やはりこの曲をスピンした昨夏8/23の夕暮れの海辺のシーンが昨日のことのように脳裏に浮かぶ。そしてブレイク・リフォームのサイモン・Sがライズ名義で世に問うた“MESSAGE TO THE ARCHITECTS PT.1”は、僕が考える究極のメロウ・ビーツ、とさえ思う。ジャズとヒップホップの蜜月。圧倒的な吸引力を持つピアノ・フレーズに、マリオン・ブラウン“DJINJI”のサックス・サンプル。サイモン・Sによるロバート・グラスパー“J-DILLALUDE”のリエディットもライセンス申請していたが、こちらは個人的に制作したブートレグ、ということで許諾が下りなかった。
続く17ピクチャーズ(ヨルグ・フォラー)の“SHORT DESCRIPTION OF WISHES”は、ここ数年BGMのセレクションなどで感度の高い空間を演出するときに、かなり重宝させていただいていた音源。ライセンスをお願いしたレコード会社の担当の方が、『素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』を今年No.1のCDと絶賛してくださっていたと聞いて、無性に感謝の気持ちを伝えたくなった。
そしてラスト3曲は、今の自分が最も求めるテイスト。メディテイティヴ、という形容がベストなのかどうか、僕にはよくわからないが、『素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』に共感の声を寄せてくださった多くの方々に捧げたい、心の調律師のような音楽。カルロス・アギーレやメランコリックなフォルクロリック・ジャズと本質的に通い合う、透明な叙情と優しい無常感をたたえている。ミア・ドイ・トッド・ウィズ・アンドレス・レンテリアの“EMOTION”は、この半年ぐらいの間いちばん好きな曲。ドン・チェリー&ラティフ・カーンの“ONE DANCE”は、タブラと木管のアンサンブルに幽玄の境地に誘われる。ビルド・アン・アークの“IMPROVISATION DAY 2”は、この2か月いちばん耳を澄ませた曲だ。
追記1:やはりジャケットの素晴らしさにも触れておくべきだと思います。5/25にNujabesを偲ぶ会のためにカフェ・アプレミディに来てくれたFJD藤田二郎くんが、「前から一緒に仕事をしたいと思ってたんです」と声をかけてくれたのがそもそもの始まり。時間も予算もない中で、多忙な彼が「ぜひ書き下ろしで、ブックレットの文字組みまで含めてやらせてください」と言ってくれたときに感じた情熱が、今回の作品に結実していると僕は確信しています。ドビュッシーが曲をつけた“夕べのしらべ/Harmonie du soir”のボードレールの詩の世界が、息をのむように鮮やかにヴィジュアル化された本当に素晴らしすぎるアートワーク。ジョー・クラウゼルがFJDとのコンタクトを望んだというのも納得の話です(だってそのままメンタル・レメディーのレコードに使えそうですよね?)。僕は個人的にLPサイズのジャケットも作ろうと考えているほどです。
追記2:もうひとつ感謝の言葉を。マスタリング当日、イバダンから届いたテン・シティーのマスター・テープの状態がおもわしくなく、途方に暮れていた僕らを助けてくれたのがCALM。彼がこの曲のこのヴァージョンをかつてDJプレイしていたのを憶えていたので連絡をとってみると、自宅スタジオでオリジナルの12インチからノイズのない申し分ない音質のデジタル音源を立ち上げてくれたのです。ヴェリー・サンクス!
WILLIAM FITZSIMMONS / GOODNIGHT
BARBARA HENDRICKS & MICHEL BEROFF / DEBUSSY MELODIES
橋本徹 (SUBURBIA/アプレミディ) 推薦
ウィリアム・フィッツシモンズの『THE SPARROW AND THE CROW』は昨年聴いた新譜の中で最も思い入れ深い一枚となったが、最近DJで“FURTHER FROM YOU”をかけていると、多くの方から(東京以外でも、そして東京では共演した次松大助まで!)特別な反応が続いている。そのアルバムは“AFTER AFTERALL”という曲で始まるのだが、2006年に発表されたこの前作『GOODNIGHT』のエンディング曲“AFTERALL”を、先日『音楽と香りはこの夕べの中に舞う』のためにセレクトした。哀切と寂寞と惜愛。エリオット・スミスやホセ・ゴンザレスやキングス・オブ・コンヴィニエンスが「フレンド」というのもうなずける、涙が滲んでしまうようなハートレンチングでメランコリックな名曲だ。オープニングの“IT'S NOT TRUE”や“MEND YOUR HEART”も同様に胸を打つので、ぜひこちらのアルバムも心ある音楽ファンに届けばと願う。『GOODNIGHT』というタイトルにもセンシティヴな優しさと慈しみが沁みているようだ。フリー・ペーパー「素晴らしきメランコリーの世界」で山本勇樹氏が、「ウィリアム・フィッツシモンズを聴いた瞬間にアル・クーパーがプロデュースしたマイケル・ゲイトリーを思い出した」と書いていたが、僕はかつて自分が編集した「bounce」の“People Tree”アル・クーパー特集に、小西康陽さんが「アル・クーパーの歌詞の良さは男にしかわからない」とコメントを寄せてくれたことを思い浮かべた。ウィリアム・フィッツシモンズの本当の良さも男にしかわからない、かもしれない。
僕と同じように80年代に青春期をすごした方なら、ウィリアム・フィッツシモンズを聴いていて懐かしのネオアコを思い起こすこともあるのでは、と考えたりするのだが、そんなネオアコ好きだった貴方も必聴の内容(特にマニアックなスミス・ファンは聴いてのお楽しみです!)となった『音楽と香りはこの夕べの中に舞う』で、ウィリアム・フィッツシモンズの“AFTERALL”に続けて選曲したのは、そう、絶妙のつながりとなったと自負している、このテーマ設定の由来にもなったドビュッシーの“Harmonie du soir”。清澄な瑞々しい美声とソフィスティケイトされた表現力の黒人ソプラノ歌手バーバラ・ヘンドリックスと、知的で繊細なピアノ・タッチが美しいミシェル・ベロフによる『ドビュッシー歌曲集』からの名演だ。
ボードレールの詩集「悪の華」からの5篇の詩に、ドビュッシーは(一時期)心酔していたワーグナーの影響色濃い曲をつけているが、この“夕暮れの諧調/Harmonie du soir”はその白眉とも言えるだろう(ラストの“恋人たちの死”にも打ち震えてしまうが)。また、このCDのオープニング、ヴェルレーヌの詩「忘れられたアリエッタ」に曲をつけた“やるせなく夢見る思い”〜“わたしの心に涙がふる”にも僕は強く惹かれてしまう。そして若き日のドビュッシーが魅せられていた、同じくヴェルレーヌの「艶なる宴」第1集からの、幻想的でたゆたうような“月の光”。声楽曲は苦手とばかり思っていた方(僕もそうだった)にもお薦めできる一枚だ。
 |
title : GOODNIGHT
artist : WILLIAM FITZSIMMONS
輸入盤CD
価格 \ 1,659 (税込み) | 在庫 なし
|
|
|
CARLOS AGUIRRE GRUPO / CARLOS AGUIRRE GRUPO (CREMA)
武田誠 (アプレミディ・セレソン) 推薦
詩や文学、映画や絵画。彼が描きだすその音楽は、ジャズやポップ・ミュージックといったフォーマットに収まるより、そんな芸術表現の言語感覚に近いのではと思ってしまいたくなるような、今までにない音楽体験へと誘ってくれる。どこか俳優のオメロ・アントヌッティを思わせる風貌だけでも、紡ぎだされる音に信頼と安心感が与えられるような、アルゼンチンの孤高の音楽家、カルロス・アギーレ。彼が自身のグループを率い2000年にリリースした、現在入手困難の名盤の誉れ高き1作目が、オリジナルのハンドメイドのジャケットを再現した日本盤として、遂にアプレミディ・レコーズよりリイシューされます。遠く切ない記憶を呼び覚ます伝統的なフォルクローレに根ざしながら、クラシックやジャズ、ブラジリアンなどといったモダンな音楽的要素が、旋律、和声、音色の中で柔らかく有機的に関係しあい、丹念に推敲を重ねた作品のように穏やかで隙のないメランコリックでメディテイティヴなアンサンブルを築きあげていきます。何度も読み返したくなる本や、見つめ続けると同化してしまうかのように引き込まれる絵画や風景みたいに、繰り返し聴くごとに新しい発見があり、美に対する感性が研ぎ澄まされていくよう。まさにすべての音楽ファンが辿り着く音の桃源郷というべき、音楽の精霊が宿る世界。カルロス・アギーレの素晴らしい詩人としての魅力を深く知る上でも嬉しい歌詞対訳付きです。
 |
title : CARLOS AGURRE GRUPO (CREMA)
artist : CARLOS AGURRE GRUPO
日本盤CD・オリジナル盤特製ジャケ仕様/アプレミディ・セレソン・オリジナル特典付き
価格 \ 2,625 (税込み) | 在庫 なし
|
|
|
GIRL WITH THE GUN / GIRL WITH THE GUN
武田誠 (アプレミディ・セレソン) 推薦
終電を逃し、いつもと違う遠回りの駅を使わざるをえなかったどうにも蒸し暑かった深夜。木が鬱蒼と茂る誰もいない公園をひとり歩いていたら、雨がぽつりと落ちてきました。しだいに雨足も強くなり始めたとき、公園に広がる木の葉の一枚一枚が一斉にその細かな雨を受け、寝静まった夜の街に、遠い記憶を呼び覚ますような美しい夏の雨音を響かせていました。ガール・ウィズ・ザ・ガンを聴いて思い出すのも、そんな静的な遠い夏の瞬間。強い陽射しを受けて意識が溶けだすような甘いまどろみ。夕陽に照らされる穏やかな波間。そんな雰囲気を伝えるアンビエンスを含んだギターを中心としたアコースティック×エレクトロニカなアンサンブルと、翳りを帯びた女性ヴォーカル。特に現代屈指のソングライター、ジョルジオ・トゥマが参加した“IN THE SUNSHINE”と、『CHILL-OUT MELLOW BEATS 〜 HARMONIE DU SOIR』にも収録された“FIX THE STARS”は、スロウモーションで流れていくような胸を掻きむしられる感傷に包まれる、何度繰り返し聴いても鮮度の落ちない名曲。ネオアコの青くピュアな表現スタイルとつながるような、南イタリアから届けられたメランコリックなサマー・ソフト・サイケデリア。この夏必聴の一枚です。
THE SOULJAZZ ORCHESTRA / RISING SUN
中村智昭 (MUSICAANOSSA/usen for Cafe Apres-midi) 推薦
ジャイルス・ピーターソンをはじめとする多くのトップDJからリコメンドを受けるカナダのアフロ・ディープ・ファンク・バンドであるソウルジャズ・オーケストラの4作目なんですが、コレが最高に抜けの良い一枚に仕上がっているのです。冒頭のメロウ・スピリチュアル“AWAKENING”の叙情的な音像から、怒濤のグルーヴが押し寄せる“AGBARA”へ(この時点ですでにノックアウト)。そして抑制の効いた硬質なロウ・ビートとウッド・ベースが印象的な“LOTUS FLOWER”や、グループの真骨頂とも言える変拍子で刻まれる“MAMAYA”と“SERENITY”のスケール感。極めつけはファラオ・サンダースの“REJOICE”を見事にアップデイトさせたラストの“REJOICE PT.1”と“REJOICE PT.2”。久しぶりにこのラインのカヴァーで、胸を熱くしました。当分プレイし続けることになりそう。
FRED MARTINS / GUANABARA
中村智昭 (MUSICAANOSSA/usen for Cafe Apres-midi) 推薦
昨年夏のリリース時に繰り返し愛聴しながらも、このコーナーでご紹介させていただく機会を逃してしまっていたフレッヂ・マルティンスのボサノヴァ・アルバム『GUANABARA』。「あまりに素晴らしすぎる!」と橋本さんも絶賛していたヴィニシウス・カントゥアリアの新作『SAMBA CARIOCA』を聴いていて、とても遅ればせながら無性にお薦めしたくなってしまいました。マリア・ヒタ “SEM AVISO”などの作曲家としても大きな注目を集める中で制作された本作、ストリングスやフルート、ホーンなどの美しいアレンジも魅力ながら、やはり本人のたゆたうようなヴォーカルとあまりに素晴らしいメロディー・ラインに心奪われます。迷わずセルソ・フォンセカの『SLOW MOTION BOSSA NOVA』を連想してしまう“AMO TANTO”や“VEREI”に、軽やかなリムショットが心地よい“AGORA E COM VOCE”、タイトル曲の“GUANABARA”。さらにはバーデン・パウエルを彷彿とさせる“DOCEAMARGO”の情熱的なグルーヴ。もしかすると「usen for Cafe Apres-midi」の熱心なリスナーの方は僕の担当する時間にひたすら選曲されていたために、すでに耳馴染みのある楽曲がほとんどかもしれませんね。“夏の日の新定番”としてぜひどうぞ!
 |
title : GUANABARA
artist : FRED MARTINS
輸入盤CD
価格 \ 2,499 (税込み) | 在庫 なし
|
|
|
< 前ページ 2010年6月上旬 2010年5月下旬 2010年5月上旬 2010年4月下旬 2010年4月上旬 2010年3月下旬 2010年3月上旬 2010年2月下旬 2010年2月上旬 2010年1月下旬 2010年1月上旬 2009年12月下旬 2009年12月上旬 2009年11月下旬 2009年11月上旬 2009年10月下旬 2009年10月上旬 2009年9月下旬 2009年9月上旬 2009年8月下旬 2009年8月上旬 2009年7月下旬 2009年7月上旬 2009年6月下旬 2009年6月上旬 2009年5月下旬 2009年5月上旬 2009年4月下旬 2009年4月上旬 2009年3月下旬 2009年3月上旬 2009年2月下旬 2009年2月上旬 2009年1月下旬 2009年1月上旬 2008年12月下旬 2008年12月上旬 2008年11月下旬 2008年11月上旬 2008年10月下旬 2008年10月上旬 2008年9月下旬 2008年9月上旬 2008年8月下旬 2008年8月上旬 2008年7月下旬 2008年7月上旬 2008年6月下旬 2008年6月上旬 2008年5月下旬 2008年5月上旬 2008年4月下旬 2008年4月上旬 2008年3月下旬 2008年3月上旬 2008年2月下旬 2008年2月上旬 2008年1月下旬 2008年1月上旬 次ページ >